販売店と連絡が取れない発電所を、何から手をつけるか?

フェンスに囲まれた野立て太陽光発電所とパワーコンディショナ

結論から言います。販売店と連絡が取れなくなったら、まず①保証書 ②遠隔監視のログイン ③点検の契約書 ④FIT認定情報の4つが手元にあるかを確認してください。この4つが揃っているかどうかで、次にできることが変わります。

目次

珍しいことではない

2012年のFIT開始から14年が経ちました。この間、低圧太陽光を売っていた業者のうち、相当数が事業を畳んでいます。買取価格の下落で新規販売の採算が合わなくなり、施工部門を閉じた会社も多い。

会社自体は存続していても、「販売はやめたので、以前の案件は対応できません」と言われるケースもあります。担当者が退職して、誰も引き継いでいないという状態も同じです。

つまりこれは、あなたの発電所だけに起きた不運ではありません。低圧の設備が10年を超えたときに、多くの発電所で同時に起きている構造的な問題です。

放置すると、何が起きるか

「特に不具合もないし、そのままでいいか」と考えたくなります。ただ、放置には具体的な結果が伴います。

1. 故障に気づけなくなる

遠隔監視の契約が販売店経由だった場合、販売店が止まると監視も止まります。パワコンが1台故障しても、通知が来なくなる。低圧で4台構成なら、1台止まっても発電量は4分の3残るため、売電明細を眺めているだけでは気づけません。

2. 保証があっても使えない

メーカー保証が残っていても、申請は施工店を通す仕組みになっていることが多い。窓口が消えると、権利はあるのに使えないという状態になります。

3. 技術基準適合維持義務は、所有者に残る

2023年3月の電気事業法改正で、10kW以上50kW未満の設備は「小規模事業用電気工作物」になりました。技術基準に適合した状態を維持する義務は、設備の設置者、つまり所有者にあります。業者がいなくなっても、義務は消えません。

4. 事故が起きたときに、責任が全部来る

フェンスの倒壊、飛散したパネル、隣地への流出。「業者と連絡が取れないので放置していた」は、理由になりません。

まず確認する4つ

① 保証書・仕様書

探すのは次です。

  • パネルのメーカー名・型番・枚数
  • パワーコンディショナのメーカー名・型番・台数
  • 出力保証・製品保証の年数と開始日
  • 施工保証の有無

書類がなくても、現地のパワコン本体や接続箱に型番の表示があります。ここが分かれば、メーカーに直接問い合わせられる場合があります。

② 遠隔監視のログイン情報

IDとパスワードが手元にあるか。ログインできるか。ログインできてもデータが数か月前で止まっている場合、通信が切れています

監視サービスの契約者が販売店名義になっていると、こちらでは何もできません。この場合はサービス会社に直接、名義変更ができるかを確認します。

③ 点検・O&M契約の書類

年1回の点検が契約に含まれていたか。含まれていたなら、いつが最後の点検だったか。3年以上空いていれば、その間の変化は誰も見ていません。

④ FIT認定情報とアクセス手段

再生可能エネルギー電子申請システムのログイン情報を、販売店が代行取得したまま所有者に渡っていないケースがあります。この状態だと、届出や変更手続きが自分でできません。

売電先の電力会社との受給契約書、設備IDも合わせて確認してください。

4つのうち、いくつ残っているか

状況 意味 次にやること
4つとも揃っている 引き継ぎ可能な状態 点検を委託する先を決める
監視だけ切れている 異常を検知できていない 現地確認+監視の再設定を検討
書類が見つからない 設備の素性が不明 現地で型番・台数から特定する
認定情報にアクセスできない 手続きができない 設備IDから再取得の手続きを進める

すべて失われていても、現地に設備は残っています。現物から型番・台数・施工状態を拾えば、そこから組み直せます。書類がないことを理由に諦める必要はありません。

現地でまず見るべきこと

連絡が取れなくなってから一度も現地を見ていないなら、次を確認してください。

  1. パワコンの表示:エラー表示、ランプの状態、台数分すべて
  2. 草の状態:パネルに影がかかっていないか、フェンスを越えていないか
  3. フェンスと標識:倒れていないか、標識が残っているか(設置は義務です)
  4. ケーブル:垂れ下がり、被覆の傷、動物にかじられた跡
  5. 架台の地際:錆、傾き、沈下

ただし、パワコンや接続箱の内部は開けないでください。太陽光パネルは日が当たっている限り発電を止められず、内部は直流の高電圧です。外から見えるところまでが、所有者ご自身の範囲です。

誰に引き継ぐかを決める

販売店がいなくなった発電所は、次のどれかを選ぶことになります。

  • 何もしない:義務は残り、故障は気づけないまま進む
  • 自分で管理する:草刈りはできても、電気設備の点検はできない
  • 点検を専門にしている会社に引き継ぐ:施工した会社でなくても引き受けは可能
  • 売却する:ただし管理履歴がない設備は、査定が下がります

4番目を選ぶ場合でも、先に現状を把握しておかないと、買い手の言い値になります。「何年も点検していない」と「先月点検した記録がある」では、同じ設備でも扱いが違います。

施工した会社でなくても引き継げる

当社は岩手県内で低圧太陽光発電所の保守管理に携わってきました。施工に関わっていない発電所でも、引き継ぎは可能です。現地で設備を確認し、型番・台数・状態を記録するところから始めます。

年間メンテナンスは初年度77,000円〜(税込・敷地1,200㎡まで・除草込み)です。点検で見る項目は点検内容のページにまとめています。

まず、今どうなっているかを確定させる

連絡が取れないこと自体は、すぐには損失になりません。損失になるのは、故障しているのに気づかないまま数年が過ぎたときです。パワコンが1台止まっていれば、低圧でも年に十数万円が消えます。

現地の状態確認は無料で承っています。書類が一切残っていない状態でも構いません。現物から確認します。岩手県内および宮城県北部に対応しています。

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